社会人の飲み会

5月29日 (金) 大嵐

 空一面に悪雲が立ち込める。薄暗い世界に閉じこまれたような感覚におそわれる。
 鳴り響く雷に鼓動するように各地で動物たちがざわめき出す。そう、彼らは本能で感じていた。何かが起こる。嫌な胸騒ぎが収まらないのは、僕もまた同じだった。上空を飛び回る何羽ものカラスがそんな不安を助長する。打ち付ける大粒の雨はより一層激しさを増した。
 その不安が的中することを僕は後に知ることとなる。

 この日の僕はもともと気分があまりよくなかった。それもそのはず、コロナウイルスのおかげで今まで開催されなかった会社メンバーで飲みが遂に予定されていた。
 大前提として僕はお酒があまり好きでない。飲むと秒で酔って秒で吐くし肌も荒れる。そんな理由から面白くなりそうな人との飲み以外は基本NGでやってきた。会社飲みなんて本来めちゃくちゃなNG案件である。2ヶ月たった今でも会話は弾まず、休憩中はトイレ(実家)に閉じこもるほど気を遣う上司達とお酒を交わすとはもはや死刑宣告であった。

 遡ること一週間前。課の中で人望のある若い男が今日の飲み会を提案した。すると、飲み会やりたい勢とコロナの事もあってまだ早計なんじゃないか勢とに二分化した。発言権の持たない僕は、心の中で後者を応援し、中止になることを神に祈るしかなかった。が、神が下した決断は僕への死刑宣告だった。
 若い男が率先して、やりたい人だけでやっちまおうと厳選されたメンバーを集結させた。それは、お酒タバコ大好きな陽キャ上司集団だった。お前は、どうする??と若い男に尋ねられ、一瞬ためらいながらも、行きます!!と答えた僕は自己主張できない性格や新入社員という立場に絶望した。

 そして当日の今日。こういう日に限っていつも長く感じる仕事が一瞬で終わる。定時に仕事を終えると、飲み会メンバー6人と共に居酒屋という名の死刑台へと重い足を進めるのだった。。。

つづく。

横幅の広い上司

5月24日 (日) 晴れ

 窓から差し込む日の光が1日の始まりを知らせる。いい天気だ。

 慣れた手つきでパソコンを開いた僕は今日も通常業務に取りかかる。
 作った資料を印刷しようとコピー機に向かうと、対面からすれ違う横幅の広い上司と肩があたる。よろけた勢いで隣にあった棚にぶつかり、中に入っていた大量の本がなだれ落ちてくる。

 なにやってんだと、フロア中の冷たい視線が僕に集まる。その一瞬の隙をつき、横幅の広い上司はその場から素早く逃げ去る。全責任を押しつけられた僕はその場に呆然と立ち尽くし、なにを言うわけでもなく人差し指を自分にさした。

 はやく片付けろと罵られ、一人で片付ける僕の背中はとても寂しそうだった。と思う。

続く。。(5月の給料)→https://gumondana.com/salary-salaryinmay