新卒社会人1年目の日常 (9)

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 午後になると、机が大きな円になっている部屋で会議が始まった。

 僕の配属された部署は、様々な工事の発注や図面作成などを行っている。今回の会議では、各々が現在抱えている工事の詳細な情報共有や、今後へ向けた意見を言い合うものであった。
 僕に与えられた議事録という役割。高校時代使っていたノートを持参し、会議に臨む。しかし、そこで飛び交う無数の専門用語。ギリ聞き取ることができたとて理解できない。TOEICのリスニングをしている気分だ。

 数時間の会議を終え、僕の議事録は、A4ノートに3行も埋まらなかった。3行分の内容をWordにまとめて課全体にメールで共有する。うっすい内容だ。そのメールを見た各所から、次は頑張ろうと失笑交じりの声が聞こえた。
 もどかしさと恥ずかしさで、僕の顔は真っ赤に染まった。

 さて、金曜日の業務も終わろうとしているところで、働き始めて第1週目の僕を総評する。

 喋らない。つまらない。仕事できない。単純にこれらが、露呈した。
 これは、のちに聞いた話となるのだが、採用時の評価が高く学歴もそこそこの奴が新卒で入ると期待されていたらしい。弊社の人事部の無能さを証明するスタートダッシュとなった。

 勤務終了の歌が流れる。逃げるように職場を後にしようとすると、何かいつもと違う。
 帰りの出口付近に20代後半くらいの可愛らしい女性が立っていた。何か気になり、チラッと彼女を見ると彼女もこちらを見つめてニッコリと微笑んだ。その瞬間、世界が二人だけになる。そこから、二人の距離が縮まるのに大した時間はかからなかった。

 さぁ華の金曜日が、始まる。

続き→https://gumondana.com/everyday-lifeofworkingpeople10

“新卒社会人1年目の日常 (9)” への2件の返信

  1. ブログ投稿お疲れ様です
    新社会人など新たな場所に足を踏み入れる時はとても不安ですよね。そのうえ、主さんのように周りに同期がいない孤独さを想像すると恐ろしいです(泣)
    私も辛い生活のなかですが、小さな幸せを見つけてなんとか心を保っています
    お互い少しずつ頑張っていきましょう

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