新卒社会人1年目の日常 (11)

4日目  4月8日(水) 晴れ

 社会人の朝ははやい。AM6:19。アラームの鳴る1分前に目が覚める。

 はやいもので社会人になってから1週間が過ぎた。大学生の頃は午前中に起きるという発想すらなかった自分が毎日決まった時間に起床する。その正確さたるや一寸の狂いもない。
 もしかしたら自分は、起きる時間をプログラムされた機械 (ロボット) なんじゃないかと急に不安に襲われた。怖くなった僕は、右腕に偶然あったカサブタを思いっきりひっぺがした。その瞬間、大量のが流れた。🩸🩸
 あぁ、僕は生きている。僕は人間なんだ。安心したのか、その血を見ながら僕は大きく笑った。

 そんなことをしながら、いつも通りの決まった時間の電車で今日もまた会社へ向かった。

 入社して2週目となった今週から、僕が任されている重大な仕事がある。
 電話対応である。部署にかかってきた電話は、まず新人である僕がとって担当の上司へ内線でつなげるのだ。

 僕にとって、これが実に手強い。何が手強いかというと、相手の会社名と名前がまるで聞き取れないのである。上司Aも、早口だから最初はなかなか聞き取りづらいよねとフォローしてくれるが、それだけじゃない。そう、聴力が異常に悪いのだ。

 東京の大学へ通っているとき、僕はほんの少しの期間だけ“パチンコ”という娯楽にハマっていた。
 一人暮らしの家の近くにあった「ジアス (The earth)」という名のパチンコ店。その名前の通り、ジアスには僕を惹きつける強力な引力が働いていた。僕は、吸い込まれるように4年間ほぼ毎日通った。

 パチンコ屋に行ったことがない人でも、店の前を通ったことがあれば分かるであろう。あの思わず耳を塞ぎたくなるような害悪な騒音。僕の聴力もまた、ジアスの引力に吸い込まれたのだ。

 吸い込まれた聴力は一生取り戻せない。電話の取引相手に何度も社名を聞き直しながら、大学の頃の愚行を後悔した、、。

続き→https://gumondana.com/everyday-lifeofworkingpeople12

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